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Cher (ISO 15924) ( リダイレクト:チェロキー文字 ) : ウィキペディア日本語版
チェロキー文字[ちぇろきーもじ]

チェロキー文字チェロキー語を表記するためにシクウォイア (ᏍᏏᏉᏱ ;ラテン翻字: S-si-quo-ya)が発明した音節文字である。
== 概要 ==
チェロキー文字は音節を表す僅か85の文字でチェロキー語を十分に表記することができる。この文字中にはラテン文字の字と同一又は似通ったものもあるがラテン文字とは違い音節文字である事もあり(ラテン文字は音素文字)表す音価は全く異なる (例えば を表す字の形はラテン文字の D に似通っている)。
ラテン文字による翻字はときに近似的なものである。たとえば、チェロキーの自称である ''Tsalagi'' (=「チェロキー」) は英語の ''ts'', ''l'', ''g'' に転写されるが、これはラテン字表記が示す音よりも寧ろ日本語のチャ行、ラ行、ガ行の音に近い。
この文字は音声言語の音韻の違いを完全に表現しているわけではない。例えば +母音 の音節の大部分は +母音 の音節とは異なる字形を用いるので弁別できるが、 で始まる音節は で始まるものと同じであり区別されない。また長母音と単母音の区別も通常なくトーンの表示もなく子音連続を表現する一貫した規則もない。
とはいえ他の若干の文字体系 (例えば通常母音を表記しないアラビア文字や濁点・半濁点が義務的でなかった時代の仮名、大母音推移を経た今日の英語など) と同様成人の話者は文脈から語を判別できる。この文字体系は忽ち広まりチェロキー語紙『チェロキー・フェニックス』(en)では数十年に亘って用いられた。今日でもレシピ、宗教伝承、民話等を書き留めるのに用いられている。チェロキーの共同体の一員となるにはこの文字体系の知識が必須であるとされている。
近年チェロキー文字が大西洋を隔てたリベリアヴァイ文字の形成のもととなったということを示す証拠が見つかった。ヴァイ文字は西アフリカ生まれの表記法としては最初 (1832-33年頃) のものである。チェロキー文字の発明 (その後すぐにチェロキーの間に野火のように広まった) の後、ヴァイ文字の発明より前にリベリアに移住したチェロキー人が両者の橋渡しをしたと推定される。このような人々のひとり、チェロキーのオースティン・カーティス (Austin Curtis) はヴァイ人の高名な氏族に加わり自身も有力な族長となった。ヴァイ文字の存在を世に知らしめた「家の銘」がチェロキー人カーティスの家で見出されたことは偶然ではない。またバサ文字の初期の形態とチェロキー文字との間にも関連が見られる。
注: 表中の "v" は鼻母音を表す。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「チェロキー文字」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Cherokee syllabary 」があります。




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